【ふじ】世界で一番生産されているりんご|りんごの品種を勉強する#24

ふじ



こんにちは。マコト(@makoto_ringo)です。

24回目のりんごの勉強です。

前回はこちら↓

アンビシャス 【アンビシャス】『大志』を抱くりんご|りんごの品種を勉強する#23



今までに出会ったりんごたち>>>りんごの品種一覧

今回は生産量世界一の誰もが知っているであろう『ふじ』というりんごの紹介です!

ふじとは


あまさ
(3.0)
すっぱさ
(1.5)
硬さ
(3.0)
王道さ
(5.0)
レア度
(1.0)



親の掛け合わせ:『国光』×『デリシャス

収穫時期:11月上旬

生まれたところ:青森県

おもな産地:青森県など東北地方中心

大きさ(重さ):300g~400g程

皮の色:紅色で縞状に色づく

ふるさと納税 フルーツ特集

ふじの特徴


ふじ断面図
ふじの断面図



ふじ』は甘みが強く、果汁も多めで歯ざわりもシャキシャキとしており食味が大変優れています。

蜜が入りやすく、近年では糖度や蜜入り具合をセンサーで判別できるようになったため、糖度が高いものや蜜入りは選別されて高級品として扱われるようになりました。

貯蔵性が高く、冷蔵で半年以上品質を保てると言われています。

有袋の『ふじ』は主にCA冷蔵で保存され、翌年の4月頃から夏にかけて出荷されます。

また、生産量が国内ナンバーワンで、2001年(平成13年)の品種別生産量では世界一にもなりました。

マコト

とても人気な品種だね!
英語圏では『ふじ』のことを“Fuji”と表記するそうです。

ふじちゃん


ふじとサンふじの違い


ふじ』と『サンふじ』どちらもよく聞きますが、「どう違うの?」と思ってしまいます。

そこで違いが分かるように表をまとめてみました。

 ふじサンふじ
栽培方法有袋栽培(果実に袋をかけて栽培する)無袋栽培(果実に袋をかけないで栽培する)
皮の色着色がよく、鮮やかな赤色。
表面はつるつるしている。
着色にムラがある赤色。
表面は少しざらざらしている。
『サンふじ』に劣るが甘い。『ふじ』より甘くて、より濃厚な味がする。
貯蔵性長く保存できる。長く保存できない。
香り『サンふじ』に劣る。『ふじ』より香り高い。
蜜入り蜜は入りにくいが、褐変が少ない。蜜が入りやすいが、蜜が褐変しやすい。
発売時期春でもよく見かける。秋から冬によく見かける。

ふじの歴史

青森県で誕生した品種


ふじ』は青森県南津軽郡藤崎町にあった、農林省園芸試験場東北支場(現・独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構果樹研究所リンゴ研究拠点(盛岡市))で誕生した品種です。

1939年(昭和14年)に、園芸試験場東北支場の圃場にあった『国光』に、青森県苹果試験場(現・地方独立行政法人 青森県産業技術センターりんご研究所)から提供された『デリシャス』の花粉を交配して生じた種子2004粒を播種し、その実生968個を得ました。

1941年(昭和16年)は太平洋戦争がはじまり、研究の継続は困難を極めましたが、残った職員たちによって交配で得られた果実はほぼ守られました。

戦争が終わり、職員たちも少しずつ復員し研究が再開されます。

得られた果実のうち、圃場に定植できたのは643個、さらに数年後、結実したのは596個でこの個体たちが最終選抜の対象になりました。

1955年(昭和30年)には、個体番号「ロー628」が有望個体として選抜され、貯蔵性や栽培性などについて検討が続けられ、1958年(昭和33年)に『東北7号』として園芸学会春季大会にて発表されました。

発表直後、系統適応性試験のため、10の国公立試験研究機関に穂木の配布が行われました。

当時の東北農業試験場園芸部責任者の森秀男園芸部長は、穂木配布に先立ち、りんご関係技術者などを対象に試食会を開いて普及の可能性について自信を深め、青森県、岩手県、長野県のりんご農家に試作を依頼しました。

青森県の場合、その相手が後に「ふじの育ての親」と言われるようになる弘前市一野渡の齊藤昌美さん、中津軽郡船沢村折笠(現・弘前市折笠)の『スターキングデリシャス』の普及で実績のあった県りんご育種同好会副会長の對馬竹五郎さんでした。

齊藤さんはいち早く『ふじ』の優れた食味や貯蔵性の高さに目をつけ、「このりんごこそがこれからの主力品種になる」と確信し、数々の苦労を乗り越え、栽培方法を確立させました。

齊藤さんは『ふじ』を栽培したいと希望する生産者さんには惜しげもなく自分が育てた木から枝を切り分け与え、『ふじ』の栽培は広まっていきました。

そして、1962年(昭和37年)に『ふじ』として品種登録されました。

翌年には『ふじ』についての論文も出されています。

ふじの名前の由来

品種名候補の選定段階では、東北農業試験場の石塚昭吾さんが提案した『ふじ』という名前を中心に研究室内の議論は沸騰したそうです。

ふじ』という名前の由来について、

  1. 富士山の『ふじ』:日本を代表する富士山にあやかった名前
  2. 藤崎町の『ふじ』:『ふじ発祥の地』としてその町名の一字をもらった名前
  3. 山本富士子の『ふじ』:初代ミス日本コンテストグランプリで女優にあやかった名前

などと意見があったそうですが、『ふじ』という名前に反対する人はいなかったそうです。

また、研究室外の東京銀座の果物店「千疋屋」の斎藤義政社長から『ラッキー』という名前も提案されましたが、最終的には森秀男園芸部長によって品種名はひらがなで『ふじ』に決定しました。

マコト

今もこれからもとっても愛されるりんごだね!

主な食べ方



ふじ』は甘いので生で食べるのがおすすめです。

ジュースにしてもOKです。

加熱しすぎると煮崩れする場合があるので、加熱調理する場合は注意する必要があります。

今日のりんご



マコト

青森県産のふじりんごです!

1 COMMENT

【りんごの家系図】りんごの品種の交配親の組み合わせをまとめました。 | ぽむれぽ。 へ返信する コメントをキャンセル

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