りんごの台木の種類


こんにちは。マコト(@makoto_ringo)です。

りんごはなぜ接ぎ木をして栽培するのかという記事で、りんごは挿し木をしても根が出ないことを知りました。

そこで使われるのが、台木です。

今回はりんごの台木に使われている植物を紹介します!


↓↓↓ 接ぎ木の話↓↓↓

りんごはなぜ接ぎ木をして栽培するのか

ミツバカイドウ


標準和名はズミ

樹皮を染料に用いたのでスミ(染み)が転化したものと言われます。

しかし、リンゴ関係者間ではミツバカイドウまたはサナシとしても知られています。

この他に、ヤマナシコリンゴミヤマカイドウなどの別名があり、甲信越地方から東北、北海道にわたって自生する野生種です。

りんご栽培の初期に台木として広く使われました。

エゾノコリンゴ


主に大陸に自生する、寒さに強い野生のリンゴです。

日本では北海道にたくさん見られ、人家に植えられたり、並木にしたりします。

過去に台木として使われたことがあるらしく、古いリンゴ畑跡地に、時々見られることがあります。

マルバカイドウ


シベリア、中国北部で広く分布するヒメリンゴ(別名イヌリンゴ)の変種です。

日本では稀に庭園に栽培されていますが自生のものは見られません。


マルバカイドウには直立形(立ち形)と下垂形(垂れ形)の二つのタイプがあります。

直立形はたくさん花をつけ、実をならせますが、挿し木ではあまり増殖できません。

下垂形は、葉の形が掌を少しつぼめたようで表面の光沢がやや強く、若い枝が下垂し、花をあまり付けませんが、挿し木で容易に増殖できますので、日本ではミツバカイドウに代わってマルバカイドウの下垂形が、台木として広く使われるようになりました。

M系台木


イギリスのイースト・モーリング試験場のHattonさんたちが、1912年(大正元年)頃から、ヨーロッパで古くから台木として使われていたりんごのうち栄養繁殖できるものを分類・整理し、イースト・モーリング試験場の所在地 East Malling の頭文字から M系 としました。

Hattonさんたちは、台木に接がれた穂木の成長状態から、台木を矮性、半矮性、半強性、強性に分類し、1930年(昭和5年)から1945年(昭和20年)までにM.1~M.27の各系統を発表しています。

M系は、1955年代(昭和30年)に日本に移入され、リンゴ栽培家の間に矮化栽培ブームが起こり、各地で矮化栽培が行われるようになりました。

日本での矮化栽培では、約80%はM.26台が、ついでM.9台や、次に述べるMM106台が使われています。

MM系台木


1928年(昭和3年)、イギリスのMertonにあったジョン・インネス試験場のCraneさんとイースト・モーリング試験場のTydemanさんたちの共同研究によって、ワタムシ抵抗性台木育成を主な目的に、M系とNorthern Spy(日本名は「君が袖(ワタムシ耐性品種)」を交配し、選抜したのがモーリング・マートン台すなわちMM系台木です。

MM101~MM115の15系統が公表されています。

EMLA


M系、MM系の台木の中にはウイルスを含むものがありますが、 イースト・モーリング ( East Malling )試験場と Long Ashton試験場の共同研究から、ウイルスを全く含まない台木が生産されました。

M、MM系の台木のうち、ウイルスを全く含まないものを、両試験場の名前の頭4文字をとって、エムラー(EMLA)台木といい、M.26 EMLA 、MM106 EMLAのように表します。

この他に、Merton、CG、MAC、P、Budagovasky、Dab、Ottawaなどの各系統の台木が知られています。

JM系


農水省果樹試験場リンゴ支場(現 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構果樹研究所リンゴ研究拠点 盛岡市)では、挿し木繁殖が可能で生産力に優れる矮性台木の育成に1972年(昭和47年)から取り組んできました。

これらの台木は1972年(昭和47年)にマルバカイドウにM.9を交雑して生じた実生について選抜を進め、1985年(昭和60年)から系統適応試験検定試験を行ったものです。

挿し木によって増やすことができるりんごの矮性台木が作られたのは、このJM系が世界で初めてです。

青台3


1975年(昭和50年)に青森県りんご試験場(現・地方独立行政法人青森県産業技術センターりんご研究所)で、マルバカイドウ(直立形)にM.9を交配して育成した120個体の実生の中から、挿し木繁殖率が高い矮性台木として選抜たものです。

現地適応試験を行い、1997年(平成9年)にその特性が安定していることを確認して育成を完了しました。

2001年(平成13年)に、青台3(あおだい3)として品種登録されました。

挿し木繁殖でき、矮化作用があり、早期結実性で、穂木果実の品質も優れ、今後期待される最新台木です。

ジェネバ系


米国では、ニューヨーク州のコーネル大学で育成されたわい性~半わい性を示すジェネバ系統(Gシリーズ)が普及しつつあります。

しかし現在は、台木(リンゴ属植物)の火傷病の発生している国からの導入を禁止されているため、日本での利用は難しいです。

青い森の片隅から」より引用

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